平成27年8月29日(土)母校「くすのき祭」の先駆け行事として、第14回くすのき俳句大会を開催しました。母校関係者など広く呼びかけ一般60名、現役学生339名が参加されました。
選者は、松本旭氏(中35回生)、柴崎甲武信氏(中48回生)、本阿弥秀雄氏(高18回生)にお願いしました。
◇一般参加者の主な作品(当日詠草句)
星の秋すこし水足す玉の池 阿部昭子
爽やかに吊り橋の揺れ谺して 安部世衣子
かなかなや明日を生きる米を研ぐ 安斎和子
手花火に余生一瞬きらめけり 大原絹子
貨車延々四十輌の残暑かな 岡部つねを
藍染の蕎麦屋ののれん秋の風 片山茂子
やはりこの好みの猪口や秋の風 勝浦敏幸
碇星宿る高さに時の鐘 川口 襄
初恋の音を聴きたし鳳仙花 栗原由郎
赤富士や激辛カレー完食す 小林幸二
秋扇かすかに揺れる胸飾り 斉藤弘行
秋雲やラピタの城の夢はるか 坂本むつ子
飽食の果てなる贅やとろろ汁 佐々木新
舟運の遺しし河岸や柳散る 柴崎甲武信
風の萩自在に赤をきらめかす 柴崎富子
畔を行く谷津田閑かや落し水 関口高栄
手の皺をそっと撫でれば敗戦忌 関口幹雄
女子の背伸びしてをり黄カンナノ 内藤紀子
蔵路地の奥に貝塚赤とんぼ 橋本良子
水尾清く縦一列の鴨来る 宮崎敏昭
一礼に返す一礼水澄めり 村田のぼる
◇学生の部・入選句
(天)紙魚喰いの地図が語った少年期 山内弘斗
(地)うつむいた向日葵と聞く風の音 水村友紀
(人)宿題に壁隔てられ天の川 池田 凌
(特)蟷螂に男子校の良さふと気づく 大附祐也
グランドの歓声高く夏の雲 宮岡 諒
楕円球追う我に鳴く蟇 野津雅樹
送り火にちらりと写る祖父の顔 富田大貴
(秀)炎天下天をも貫く応援歌 長谷川貴大
遠距離の二人の空に天の川 松本直也
鮎探し水面に映る幼顔 熊谷昌也
早乙女や山吹色の田植唄 梅木健新
炎天下ひたすら回すペタルかな 塚田良輝
部活後に宿題励む夜の秋 細谷悠太
クーラーの科学の風が子守唄 斉藤 康
炎昼を切り裂く白球ホームラン 富澤佑樹