百周年夜話 ~『徳敷智耕』~

 同窓会のアルバムを整理していると、一枚の写真に目が留まった。『徳敷智耕』と書かれた額である(写真)。校歌二番の「智を耕して徳を敷く」の一節を書に認めたものである。

 

 

 

 

 

 

この額は旧図書館の奥に掲げられていた。旧図書館そのものは1958年に建てられ、現在の図書館に建て替えらるまでの40年間にわたり、生徒の勉学を奨励した。

閲覧室への入り口は、木造づくりの建物の二階にあり、多くの生徒たちが部屋を埋め尽くし、勉学に励んでいた。用心して歩かないと床がギシギシとよく鳴った。勢い余って歩くと、閲覧室に陣取る生徒たちの目線が一斉に上がり、ぎろりと光る、そんな気がした。静かに前に進んで行くと、後方真正面に件の書が掲げられていた。

日焼けして色あせた額も新しい図書館になって、その長い任務を終えた。多くの卒業生たちが目にし、記憶のなかから呼び覚ますことができるもののひとつであろう。いつごろ、どなたが揮毫したものか、寡聞にして不肖の同窓子は知る由もない。

 

コメントはまだありません

Leave a comment

お名前 *
メールアドレス *
URL
コメント