定時制の誕生と草創期

 昭和23年9月15日。埼玉県立川越高等学校定時制課程は、中心校を川越高校全日制課程に併設、朝霞、入間川、所沢の3分校体制で開校。占領下しかも食糧不足の中で勤労青年や社会の大きな期待を受け、その第一歩を踏み出した。

 昭和26年、中学生の1/3が高校に進学する時代。県内高校生の4万2千人余りの内28%が定時制に在籍していた。定時制課程には色々な経歴を持つ生徒が集まってきた。学ぶことに飢えた時代であった。生徒には8時間の労働の飢えに全日制と々学力が求められていた。

 開校当時は、停電に悩まされた。照明のない校庭での体育。冬の寒さとの戦い。給食設備はなく「暗くて、寒くて、腹が減って、眠くとも理想を求め、もっと勉強する時間が欲しい」という時代だったと当時のOBが語っている。昭和35年、待望の給食室が完成し、パンやうどんの給食が始まった。