第15回くすの木俳句大会開催さる

平成28年8月27日(土)、母校「くのき祭」の先駆け行事とした。母校関係者、在校生に広く呼びかけ、一般参加者32名、在校生296名が参加されました。

選者は、柴崎甲武信氏(中48回生)、本阿弥秀雄氏(高18回生)にお願いしました。また、在校生の句については、菊池建太同窓会長(高17回生)、青木勇藤校長(高28回生)が加わりました。

◇参加者の主な句

身ほとりの旭の色紙沙羅の花    阿部昭子

大花火果てたる闇の摩天楼     安倍世衣子

晩涼の箪笥に妣の婚衣装      安斎和子

立秋やマニュキュア塗って爪吹いて 市川英一

薄明の町練り歩く風の盆      今井松子

中殷の夏の静かさ白い雲      大嶋文昭

もひとつの貌となりたる浴衣がけ  大曾根育代

茄子漬けて生命線をしみじみと   大原絹子

裸子になってとたんに走りだし   岡部つねを

蛍やここより山の村に入る     落合好雄

富士山の点々点る灯涼し      勝浦敏幸

指先の感覚のずれ岩清水      片山茂子

一筋の神酒とくとくと滝開き    金古富士夫

あじさいや津軽の海をパトロール  神山三男

でもねなど言葉はいらぬ夏落ち葉  栗原由郎

斯くも生き斯くも死なしめ光秀忌  小林幸二

蔵元に空壜積まる夏の果      小峯知治

ほんものの恋になるまで居待月   斉藤弘行

言魂と子規の座机夏座敷      坂本むつ子

民宿の瀬音なつかし網戸越し    佐々木新

雷鳥の見守る遭難救助隊      柴崎甲武信

髪梳くる風の気配や夜の秋     柴崎富子

ジャズの音や残暑にあえぐ蔵の街  関口高栄

麦笛や少年の空限りなし      関口幹雄

握り鮨波うち際の見ゆる席     内藤紀子

梶田氏の微笑我らの夏の星     中村誠佑

とりどりの下駄の揃うて祭来る   橋本良子

肩張らぬ余生身につく麦稈帽    深見浩照

蒼天を割きて一閃夏燕       村田のぼる

軒を行くつばくら稚し蔵の街    桃井良之

躙口へぬるる飛石若楓       宮崎見昭

◇学生の部

(天)ペダル踏む我を飲み込む雲の峰  外山志隠・1年E組

(地)雨やんでペタルひと踏み虹目指し 飯島一輝・1年I組

(人)地図の路夏の思い出辿る指    野口龍太・1年D組

(特)くすの木はゲリラ雷雨の避雷針  三井公人・2年H組

ゆるやかにこもれびゆるる楠若葉 戸田征宏・1年H組

麦藁帽目深に覗くは白い笑み   廣長勇太・1年I組

夜すがら机に向かう晩夏かな   作田裕助・2年J組

蚊をたたく度にに逃げてく方程式 岡安幹太・2年C組

水しぶき数多の虹が出て来たり  中野広大・1年G組

(秀)村呑んだ五月雨集めるダム湖とは 茂木天統・1年I組

ひまわりや活けた三輪そっぽ向き 引地耕平・1年I組

溝池に踊る宝石源五郎      野口龍太・1年D組

夜の庭の祭囃子を遠く聞き    大塚 怜・1年A組

玄関にもの音にしてもう盆か   島崎叡悟・2年C組

飲むたびに麦茶の氷音色変え   関安幹太・2年C組