第12回くすの木俳句大会

第12回くすの木俳句大会が母校セミナー室で平成25年8月31日(土)開催され、一般55名、学生374名が参加しました。大会の詠草の概要は次のとおりです・

総合順位:第一位 関口幹雄 24点・第二位 川口 襄 23点・第二位 橋本良子 23点 第四位 小林幸二 20点 第五位 斉藤弘行 16点

各参加者の主な作品

(一般の部)

楽焼の皿のいびつや夜の秋   松本 旭

浮かべたる月の重さに川凹む  本阿弥秀雄

富士筑波つなぐ線上大根蒔く  柴崎甲武信

掌の窪に錠剤集せて残暑なほ  松本 翠

くすの木の梢突き刺す秋の空  相田 旬

沼の辺にチエロの調べや萩の花 穴澤光江

湖を眼下の尾根や秋あざみ   阿部昭子

崩れ簗未だ戸籍は故郷に    安倍世衣子

蹲踞に空を写して路地の秋   有山光子

秋蝉や家長の替わる床柱    安斎和子

蔵町に残る迷路や白木槿    大原和子

谷川の滴り利根の幼顔     五十嵐 甫

色街を徘徊せしや雲の峰    市川英一

城山をゆさぶる郡上踊かな   今井松子

横のまま暫し入魂昼目覚    遠藤俊彦

夏祭我が青春に重なりぬ    大嶋文昭

八月や茶房にジャズと星条旗  大曾根育代

大夕立疲れきったる街洗ふ   岡部つねを

蝉時雨雑木林に墓二つ     落合好雄

茫洋たる空の青さや秋の声   片山茂子

秋鴉遷座の宮に一声す     勝浦敏幸

荒神輿下して胸のさらし解く  金古富士夫

天晴れて葉末を広げる香気の木 川合佳子

かはほりの一番星の空拡ぐ   川口 襄

はるかなる白線帽や楠若葉   木村麗水

八月尽散歩スタイル変へてみる 栗原忠梨風

郭公や一声だけで何処へゆく  神山三男

原爆忌水は百度で沸騰す    小林幸二

稲雀追ふ手ばたきの野に響く  小峰知治

むらさきのにほふ校歌や桐一葉 斉藤弘行

窓際にうたたねの母チチロ鳴く 坂本むつ子

蜩や五百羅漢の首の傷     佐々木 新

夕菅や紫紺に昏るる槍穂高   柴崎富子

旭日にはじけてざくろ笑ひけり 関口高栄

手拭を堅く絞れば大夕焼    関口幹雄

旅果ての余情夕べに虹二重   田巻和子

河骨のゆるる明るさ沢の空   内藤紀子

むさぼり聞くクラシックに夏太る 中村夢扉夫

大方は昭和世代浮巣見に    橋本良子

墓洗ふ母困らせたことばかり  深見雨牛

近くなる二人の距離や草蛍   前島敏正

学舎へ蔵の片蔭とびとびに   宮崎敏明

風鈴のひとり語りや風流る   村田のぼる

山車と山車競ふ十字路月高し  桃井良之

炎天下疎開して来し蔵の街   山崎香侑

鳳仙花爆ぜ旅館揺れ動き    横山正樹

(学生の部)入賞者

「選者」 松本旭氏(中35・橘主宰)柴崎甲武信氏(中48・くすの木句会会長)本阿弥秀雄(高18・本阿弥書店社長)田中正同窓会会長(高6)細田宏川越高校校長(高25)

天  言えたんだ弾ける花火に負けたけど  芳野友規(3・I)

地  失敗をかもめに嘆くチエーホフ忌   中濱駿勢(1・D)

風鈴の音を聞きつつペン回す     川北悠貴(1・F)

人  太陽にほれてふくらむホオズキか   佐野文哉(1・C)

ソーダ水僕の頭もはじけてる     鈴木開智(1・C)

特選 蝸牛部活の後に姿なし        西原元輝(1・C)

蝉の声天まで届く我が故郷      山田悠人(1・C)

あっついな言えば言うほど暑くなる  萩野谷一馬(1・E)

秀逸 思いやり天の川まで届けよう     安原拓海(1・I)

通学路団扇片手に強歩かな      新田 竜(1・I)

名月が闇飛ぶ雁をかたちどる     粕谷俊輔(1・I)