雨上がり色づく門や蝉の鳴く

 

川越の街を散策していると、好んで隘路に入り込むことがある。

誘われるままに迷い込めば、異界とさえ思える時空に行き交う。

 

しばらく降り続いた雨の後、門班はいよいよ彩色に入る。

歓迎の門は、無から有へと変化し、透明で無機質な色合いから有機体へと彩られる。

換言すれば、空間的な形式であらわれたものが時空的な実在となる。

日常を超え、超越的世界を形成していくのだ。

 

隘路を抜ければ空は刺すように青い

 

ふり返り見れば色づく門

 

 

廓然無聖の心境であろうか

 

 

門班には「ひたすら」という言葉が似合う

 

 

 

今日のひと挽きが明日へつなげる